Z ZONE

2021.08.13

どんなときも、“お客さま第一” の精神を。品川区西大井の“町の自転車屋さん” | 横島サイクル商会

Z ZONEがおくる、“町の自転車屋さん” のインタビューシリーズ。

第五弾は、品川区西大井にお店を構える横島サイクル商会さん。

西大井駅から歩くこと3分ほどの位置にある、レトロな雰囲気漂う自転車屋さん。聞くところによれば、大正9年からお店を続けられているのだとか。今回の取材では、そんな横島サイクル商会さんの3代目店主・横島 邦夫さんにお話を伺いました。長年の歴史を持つこちらのお店のこだわりを、ぜひ確かめてみてください。

どんなお客さまにも、対応できるように

ー本日はどうぞよろしくお願いします!

横島サイクル商会の店主・横島 邦夫さん

横島さん:よろしくお願いします!

ーまずはじめに、こちらのお店の歴史について。いつ頃にオープンされたお店なのでしょうか?

横島さん:1920年から始まったので、ちょうど先日100周年を迎えたところですね。

ー100年!? すごいですね……!

横島さん:祖父の代から続いているお店なんです。僕は3代目の店主。2代目の父が亡くなる前までは、二人でお店をやっていて。今はひとりになってしまったので、正直大変なことも多いですけどね。

ーたとえば、どんなところが大変ですか?

横島さん:なんと言っても一人ですから、変な話、パッタリ倒れられないですよね(笑)。平成14年頃(二代目のお父さまと一緒に働いていた頃)までは日曜日がお休みだったんです。自転車の展示会はいつも水曜日に行われるんですが、当時は父が展示会へ行っていて。亡くなってしまってからは、お店を空けるわけにもいかないので、定休日を水曜日にしたんです。だから今は、土日も働いていますよ。

ーなるほど。お店に来るお客さまは、どんな方が多いですか?

横島さん:修理・お買い求めの方々で半々ぐらいのイメージですね。お客さまの層としては、昔からご愛好くださる方も新たなお客さんも、さまざまな方が来てくれますよ。ファミリー層や学生の方も多いですね。近くに小中一貫の学校があって。そこの生徒さんのお母さまや、生徒さんがお一人で来られることも。

ー幅広い方々に愛されているんですね。

横島さん:常時50台ほどの自転車を用意していて。どんな方が来ても対応できるように心がけています。若い方向けにはロードバイクなんかも。電動自転車から子供用のものまで、多彩なモデルを置いていますよ。お客さんを選ばない、というのは意識しています。なるべく多くの方に楽しんでいただきたいですからね。LINE PayやPayPayなどの決済サービスを取り入れているのも、さまざまな方々に対応したい、という気持ちからなんです。

“何より、お客さまに喜んでいただきたい”

ー少々唐突になってしまうのですが、横島さんは、どんな時に「やりがい」を感じるのでしょうか?

横島さん:みんな同じことを言うかもしれないけれど、やっぱり、お客さまが喜んでくれたのを見ると大きなやりがいを感じますよ。『他では直らなかったんだけど……』と、故障した自転車を持ってきてくれたお客さまに対応して、結果的に修理ができた時なんかは、大変喜んでくれて。そういう表情を見ると、この仕事をやっていて良かった、と思えますね。

ーなるほど。あくまで「お客さまに喜んでもらう」ということですね。

横島さん:自分の手でお客さまに喜んでいただいて、その顔を見られるのは幸せですよね。近所の学校(小中一貫校)の子どもたちなんか、毎年「職業体験」で勉強しに来てくれるんですよ。そういった際にも、やっぱりみんな喜んでくれて。そういう顔が見たくて仕事をしている、というのもありますね。とても楽しい仕事ですよ。

おわりに

控えめながらも、時たま『ワハハ』と大きな声で笑いつつ、終始なごやかな雰囲気で話してくださった横島サイクル商会の3代目店主・横島さん。

長く続くお店には、それをしっかりと裏付ける「理由」があるのだ、と改めて感じました。それはきっと、あくまで “お客さま第一” の姿勢なのだ、と。横島サイクル商会が100年もの長い間お店を続けてこられたゆえんが、なんとなくわかったようで。これからも、ずっとずっと長くお店が続いてほしいなぁと、素直に感じられる取材でした。

読者のみなさまも、お店の雰囲気と横島さんのなごやかかつ穏やかなムードを感じてみてください。西大井の街に降り立った際は、ぜひ。

【Infomation】
店名:横島サイクル商会
住所:東京都品川区西大井2-22-2
電話:03-3778-3196